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電気代の燃料費調整額とは?仕組みや今後の見通し、安くする方法をわかりやすく解説

【図解】電気代の燃料費調整額とは?仕組みや今後の推移をわかりやすく解説※この記事は2024年3月22日に最新の情報に更新されました。

月々の電気代に含まれている「燃料費調整額」。燃料費調整額は電気の使用量に比例して高くなるが、なぜ燃料費調整額が必要かご存知だろうか。

そこでこの記事では、法人に向けて、燃料費調整額の概要や計算方法、今後の見通しについて説明し、燃料費調整額を安くするための対策を解説していく。

※一般家庭、個人の方向けの解説は後半で行っています。こちらから読むことができます。

関連記事:電気代は安くできる!内訳と計算方法、基本料金の下げ方、法人がすべき対策を解説!
関連記事:【2024年最新】電気代値上げを徹底解説!推移と料金が高い原因、今後の見通し、法人ができる高騰対策とは

目次

・「燃料費調整制度」とは?

・燃料費調整額とは?

・燃料費調整額の算出方法とは?

・燃料費調整額のプラス・マイナス調整とは?

・燃料費調整額が反映されるタイミングは?

・2023年に入って燃料費調整額は下がりつつある

・燃料費調整額の今後の見通しは?しばらくは高騰が続く?

・なぜ燃料費調整額が上がると、基本料金・電力量料金の値上げや、新電力の倒産・撤退が起きるのか?

・市場連動型プランなら、電気代高騰・倒産リスクを大幅に軽減できる

・<法人向け>しろくま電力の市場連動型プランは電気代削減・脱炭素を手厚くサポート まずはかんたんお見積もりから

・<法人向け>大手より最大25%も安い 安心して電気を安く使いたい法人は「固定単価型プラン」がおすすめ

 

「燃料費調整制度」とは?

燃料費調整制度とは、月々の電気料金に、火力発電で使用する化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の価格変動分を反映したものだ。大手電力会社や大半の新電力がこの制度を導入している。

日本の電気は、約7割が化石燃料による火力発電でつくられている。そして使用する化石燃料(石炭、石油、天然ガス)は、9割近くが輸入されたものだ。燃料費は世界情勢や為替レートによってこまめに変動する。電気料金を固定すると、燃料費が高騰した場合は電力会社が損失を被り、下落した場合は消費者が損することになってしまう。

そこで1996年に「燃料費調整制度」が導入された。この制度によって、月々の電気料金に、過去3ヶ月分の化石燃料の価格変動分を反映させる「燃料費調整額」が含まれることになった。燃料費調整額は下図のように、電力量料金の一部として組み込まれている。

この料金プランは一般的な料金体系の内訳

 

燃料費調整額とは?

燃料費調整額とは、毎月の電気代に含まれる費用の一つだ。燃料費調整制度によって定められた燃料費調整単価に、月々の電気使用量をかけて算出される。新電力の中には、燃料費調整額ではなく、JEPX(日本卸電力取引所)で取引される電気の市場価格をもとにした「電源調達調整費」「市場価格調整単価」を請求する企業もある。

最近では電力会社が燃料費調整額の上限を撤廃するニュースが話題になったが、上限があるのは低圧の規制料金メニューだけである。低圧(一部)・高圧・特別高圧の燃料費調整額には上限が設定されていない。

関連記事:【図解】新電力とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説!
関連記事:市場価格調整単価とは?電気代がまた上がる?仕組みと対策をわかりやすく解説
関連記事:電源調達調整費とは?独自燃調の仕組みと特徴をわかりやすく解説

 

燃料費調整額の算出方法とは?

燃料費調整額は「燃料費調整単価×電気使用量」で求められる。電気使用量が多くなるに比例して、燃料費調整額も上がっていく仕組みだ。そして燃料費調整単価は、以下の計算式で算出できる。

燃料費調整単価 =(「平均燃料価格」ー「基準燃料価格」)÷1000(×基準単価)

平均燃料価格とは、過去3ヶ月分の燃料費の平均価格のことだ。基準燃料価格は、各電力会社が定めた燃料費の見込み価格である。もし平均燃料価格が1キロあたり1000円変動した場合は、電力会社が定めた基準単価も含めて単価を計算する。

基準燃料価格は電力会社ごとに異なるため、燃料費調整額は契約する電力会社によって変動する。

 

燃料費調整額のプラス・マイナス調整とは?

昨今、電気代高騰の原因として「燃料費調整額の値上がり」が叫ばれているが、燃料費調整額は電気料金にプラスされるだけではない。燃料費が下がった場合、燃料費調整額もマイナスになることがあるのだ。これらをプラス調整、マイナス調整と呼ぶ。

プラス調整となるのは、実際の燃料価格が、各電力会社の基準燃料価格を上回った場合だ。この場合、燃料費調整単価はプラスとなるため、電力量料金が値上がりする。

一方で、実際の燃料価格が、各電力会社の基準燃料価格を下回った場合、燃料費調整単価はマイナスとなる。その場合はマイナス調整として、電力量料金が安くなる。

実際に東京電力の高圧の燃料費調整額を見てみると、2021年5月分の燃料費調整単価は-3.52円/kWhだった。しかし2023年2月分は12.59円/kWhと大幅なプラス調整になっている。

 

燃料費調整額が反映されるタイミングは?

燃料費調整額が反映されるタイミングについても注意しておきたい。燃料費調整単価は過去3ヶ月分の平均燃料価格をもとに決まる。しかし燃料費調整額が電気料金に反映されるのは2ヶ月後である(下図参照)。

燃料費調整額が反映されるタイミングについても注意しておきたい。燃料費調整単価は過去3ヶ月分の平均燃料価格をもとに決まるが、電気料金に反映されるのは2ヶ月後である

例えば、10月分の燃料費調整単価は、5〜7月分の燃料費をもとに反映される。燃料費調整額は最新の燃料価格が反映されず、タイムラグがあるのだ。

 

2023年以降、燃料費調整額は下がりつつある

それでは、実際の燃料費調整単価の推移を見てみよう。

スクリーンショット 2023-07-07 16.53.44(新電力ネット「燃料費調整単価の推移」をもとに弊社作成)


上図は、高圧の燃料費調整単価をチャートにまとめたものだ。東京電力を見ると2020年12月は-4.84円/kWhだったが、2021年12月には-1.05円/kWhとなり、2023年2月分は12.59円/kWhとなっている。この2年のうちに、約17.5円も値上がりしたのだ。

なぜ燃料費調整額がここまで値上がりしたのか。それは主に下記3つの理由が挙げられる。

・脱炭素の促進による化石燃料への投資撤退
・急激な円安ドル高の進行
・2022年ロシア・ウクライナ問題

特に「ロシア・ウクライナ問題」は燃料費高騰に与える影響が大きく、これらに影響を受け、この2年間で石油と天然ガスは約5倍、石炭は約8倍の価格になるなど、2022年に過去最高値を記録した。

輸入燃料の価格推移(各種統計データをもとに弊社作成)

しかし上図のように、2023年に入ってからは燃料費の高騰が落ち着き、下落局面に入った。そのため、2023年3月ごろからは平均燃料価格も下がり、燃料費調整額も多少安くなりつつある。

関連記事:【2024年最新】電気代はどれくらい値上げした?推移と今後の予測、電気料金の高騰対策を解説!
関連記事:【法人向け】電気代を安くする方法とは?原因と対策を解説」

 

燃料費調整額の今後の見通しは?しばらくは高騰が続く?

燃料費が下がった影響で燃料費調整額も下がりつつある。このまま大幅に下がることを期待したいところだが、燃料費高騰の主原因である「ロシア・ウクライナ問題」は収束の目処が立っていない。そのため、大幅に下がる可能性は考えづらいのが現状だ。

高圧の燃料費調整単価で考えると、今後は以下のように推移する可能性がある。


燃料費調整額の推移と今後の予想(出典:新電力ネットや各社の研究データをもとに弊社作成)

燃料費の高騰は今後もある程度は落ち着くと考えられるが、2020年以前のような水準になる可能性は低いものと考えられる。燃料費調整単価も同様の動きを見せる可能性があるのだ。

今後も電気代が高い状態が続くことになるが、燃料費高騰の影響は燃料費調整額を上げるだけではない。実は新電力の倒産・撤退リスクの上昇にも繋がっているのだ。

参考:【図解】新電力とは?契約は危険?メリットと仕組み、注意点を解説

 

なぜ燃料費調整額が上がると、基本料金・電力量料金の値上げや、
新電力の倒産・撤退が起きるのか?

廃業する新電力の多くは、燃料費調整額のある料金プランを提供している

2022年に入り、燃料費が過去最高値を記録したと先述した。これによって多くの新電力が大幅な電気代の値上げに踏み切っており、高圧・特別高圧の場合、1.5〜2倍ほどに値上がりしている。

一方で、新電力の倒産や事業撤退のニュースを目にする機会も増えた。2022年以降、195社の新電力が倒産・事業撤退している。これは全体の約27%にあたる。そして不思議なことに、この中には値上げを行った新電力も多く含まれているのだ。

なぜ値上げしても新電力は倒産・事業撤退せざるを得ないのか。それは、燃料費調整額を含む一般的な料金プランに問題があるからだ。改めて、一般的な料金プランの内訳を見てみよう。

一般的な料金プランの内訳

このプランの特徴は「何時に使っても電気の単価が一定」という点である。8時だろうが20時だろうが、燃料費調整額を決める単価は変動しないのだ。

一般的な料金プランは、仕入れ値に基づいて売り値が設定されていない

一般的な料金プランは単価が1ヶ月間固定される。しかし、ほとんどの新電力は自社で発電所を持っていない。JEPXが販売する電気を仕入れ、それを需要家に届けているのだ。この仕入れ値を市場価格というが、市場価格は「需給状況」「天候状況」「燃料費」に応じて30分ごとに変動する。

例えば、晴れた日は太陽光発電の導入量が増え、市場価格が0.01円/kWhになることもある。一方で夕方になれば太陽光発電がストップし需要も増えるため、10円/kWhや50円/kWhまで上がることもあるのだ。これまでは市場価格そのものが安いことから、変動しても利益を出すことができた。だが今は燃料費高騰で市場価格も値上げしており、一般的な料金プランでは時間によって莫大な赤字になっているのだ。

2022〜2023年にかけて、冬の電力需給がひっ迫するといわれている。需給がひっ迫すれば市場価格は高騰するが、どれだけ値上がりするかは蓋を開けてみないとわからない。そのため、一般的な料金プランを提供する新電力の倒産や事業撤退は今後も増加する見込みだ。仮に撤退を免れたとしても、需給ひっ迫後の一般的な料金プランは大幅に値上がりすると考えられる。市場価格が30分ごとに変動するのなら、タイムリーに燃料費調整額に反映すればいいように思える。しかし、燃料費調整額は過去3ヶ月分の平均燃料価格をもとに算出されるため、現在のような燃料費や市場価格の急激な高騰には対応できないのだ。

そこで多くの新電力が、基本料金や電力量料金といった燃料費調整額以外の値上げに踏み切った。しかし現在は燃料費の先行きが不透明なため、「どこまで値上げすれば利益が出せるか」の見極めが非常に難しい。

値上げしすぎると需要家の負担が増え、値上げ幅が小さいと会社は赤字から抜け出せない。その結果、値上げ幅の見極めに苦戦した新電力は値上げしたものの赤字が続いてしまい、倒産や事業撤退を選んでいるのだ。

大手電力会社も燃料費高騰に対応できず、過去最大の赤字となった企業も

大手電力会社も燃料費高騰にうまく対応できておらず「燃料費調整額は上がったが、それ以上に燃料費の方が高かった」という事態が続いている。2022年度の決算では、大手電力10社のうち9社が数百億円〜数千億円の赤字となり、2023年4月より7社が電気代を大幅に値上げすることを発表した。

燃料費調整額を含む電気代プランは、大幅な値上げや突然の契約解除リスクがある。そういったリスクを少しでも軽減し「安心して少しでも安い電気を使いたい」法人が検討すべきが、市場連動型プランだ。

参考:【2024年最新】電気代を値上げする電力会社一覧!電気料金はどれくらい高くなる?

 

市場連動型プランなら、電気代高騰・倒産リスクを大幅に軽減できる

電気料金プランには、一般的な契約プランに加えて、市場連動型プランというものがある。このプランの料金内訳は以下だ。

電力契約には、一般的な契約プランに加えて、市場連動型プランというものがある。このプランの料金内訳は以下だ。


一般的な料金プランは、いつ使用しても電気料金が同じだ。電気料金を安くしたい場合、節電して電気の使用量を減らすか、電気代が下がるのを待つしかない。一方で市場連動型プランは、市場価格の変動に合わせて、30分ごとに電力量料金の単価が変わる。市場価格が下がっても、一般的なプランの電気料金は変動しないが、市場型連動プランは変動するのだ。

市場価格は0.01円/kWになることもあるため、市場連動型プランは条件が揃えば電気料金を大幅に削減できる。特に高圧・特別高圧の法人など、消費電力が大きい昼間などはコストメリットが大きくなるのだ。下図はそれぞれのプランの価格推移イメージである。

一方で市場連動型プランは、市場価格に経費を上乗せした価格が電力量料金になる仕組みだ。市場価格の変動に合わせて、電力量料金の単価が30分ごとに変動する。市場価格が下がっても一般的なプランの電気料金は変動しないが、市場型連動プランは変動するのだ。

市場連動型プランは市場価格に経費を上乗せした金額が単価になるため、電力会社が赤字になることはほとんどない。電気料金をどう設定するかによるが、倒産や契約解除のリスクはほぼゼロなのだ。

電気料金を安くできる可能性が高く、電力会社の倒産や撤退を気にせず電気を使用できる。これが市場連動型プランの大きなメリットだ。2022年現在、電気料金はどこの会社も高い。少しでも電気料金を安くしたい、電力難民になるリスクを軽減したいのなら、市場連動型プランがおすすめだ。

参考:【図解】市場連動型プランとは?最終保障供給より安い?メリットデメリットをわかりやすく解説!

 

<法人向け>しろくま電力の市場連動型プランは
電気代削減・脱炭素を手厚くサポート まずはかんたんお見積もりから

しろくま電力では、高圧・特別高圧の法人向けに市場連動型プランを提供している。新電力ネットが実施した販売量増加率ランキングでは第3位を獲得。2022〜2023年にかけてお問合せ件数は約40倍に増加している(出典はこちら)。

しろくま電力では、翌日の市場価格を、毎日午前中にメールで共有。これによって、市場価格の高騰が見込まれる際には、従業員に在宅勤務を促したり、工場の稼働を減らしたりでき、電気代の節約をサポートする。個別での相談にも対応可能だ。

電気を切り替えるだけで脱炭素ができるのも、しろくま電力の強みだ。私たちが提供する電気は、実質再生可能エネルギー100%であり、CO2を一切排出しない。カーボンニュートラルの実現もサポートする。

以下は、実際にしろくま電力の市場連動型プランを導入した企業様の声だ。


お見積もりについては、他の電力会社や最終保障供給を契約した場合の電気代との比較もできる(比較を希望した法人のみ)。年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代を算出するため月ごとの料金比較も可能だ。以下は、レポートとお見積書の例である。

しろくま電力のお見積書とデイリーレポートの例。しろくま電力は翌日の各エリアの市場価格を毎日午前中にメールで共有。これにより、市場価格の高騰が見込まれる際には、従業員に在宅勤務を促したり工場の稼働を減らしたりでき、電気代の節約をサポートする。個別での相談にも対応可能だ。  お見積もりについては、他の電力会社や最終保障供給を契約した場合の電気代との比較もできる(比較を希望した法人のみ)。年間のお見積もりだけでなく、毎月の電気代を算出するため月ごとの料金比較も可能だ。


お見積もりは「しろくま電力の市場連動型プランページ」または下記バナーからすぐに完了できる。市場連動型プランに切り替えると電気代がどうなるのか、他社と比較して安くなるのかを試算したい方はぜひお申し込みを。お急ぎの見積もり依頼にも対応できる。契約上のご相談や不明点などにも対応可能だ。

 

<法人向け>大手より最大25%も安い
安心して電気を安く使いたい法人は「固定単価型プラン」がおすすめ

また、しろくま電力では「市場連動型プランはどうしても不安だ」という法人に向けて「固定単価型プラン」も提供している。このプランは大手と違って「3〜6ヶ月前の燃料費の平均価格」でなく「前月の市場価格」を1kWhあたりの単価に落とし込むため、不透明な値上げリスクがない。

さらに、以下の2点により電気代が大手電力会社よりも「最大25%安くなる」可能性がある。

①基本料金と電力量料金が大手電力会社より安い
②燃料費調整額でなく、電源調達調整費を電気代に組み込んでいる

①について、しろくま電力では電気代の基本料金と電力量料金を大手電力会社よりも低くなるように設定した。そのため月々の電気代を安く抑えることができる。

一般的な料金プランとしろくまプランの料金内訳の比較図


②については、大手電力や新電力が電気代に燃料費調整額(化石燃料費の変動分だけ)を組み込む一方、しろくまプランでは電源調達調整費を含んでいる。電源調達調整費は、先述したJEPXの市場価格を1kWhあたりの単価に落とし込んだものだ。

燃料費調整額は化石燃料だけを価格に反映するため、燃料費が高騰すると燃料費調整額も上がってしまう。2020~2022年にかけて電気代が高騰したが、この原因は燃料費調整額だった。しかし市場価格は前述したように燃料費以外も参考にされるため、電気代の高騰リスクを軽減できる(当然、電源調達調整費が高騰するリスクもある)。

このように内訳を変更することで、大手電力よりも最大25%安くすることが可能となった。ちなみに市場連動型プランと固定単価型の価格の違いは以下である。

・市場連動型プランは電力量料金が市場価格を元に決まる
・固定単価型プランは従来の電力プランと同じく電力量料金は一定。

・市場価格は賢く電気を使えば電気代が大幅に安くなる。しかし市場価格高騰時はリスクもある
・固定単価型プランは市場連動型よりも市場価格の影響を受けづらい。安心して電気代を下げたい。


「市場連動型だと不安だ」「安心して安い電気代を使いたい」という企業様は、ぜひ下記からお見積もりを。

 

 

 

 

<一般家庭・個人の方向け>電気代を左右する燃料費調整額とは?
仕組みや今後の見通し、安くする方法をわかりやすく解説

前半では、主に法人の方を対象にした解説を行ってきました。

ここからは、一般家庭・個人の方に向けて「燃料費調整額とは何なのか」を解説していきます。

※後半は一般家庭・個人の方に向けた内容となっています。法人の方に向けた解説はこちらから読むことができます。

関連記事:【2024年最新】世帯別・季節別・地域別の電気代平均は?電気料金の下げ方・節電方法もわかりやすく解説
関連記事:電気代は安くできる!内訳と計算方法、基本料金の下げ方、法人がすべき対策を解説!
関連記事:【2024年最新】電気代値上げを徹底解説!推移と料金が高い原因、今後の見通し、法人ができる高騰対策とは

「燃料費調整制度」とは?わかりやすく解説!

燃料費調整制度とは、月々の電気料金に、火力発電で使用する化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の価格変動分を反映したものです。大手電力会社や大半の新電力がこの制度を導入しています。

現在、日本の電気は、約7割が火力発電でつくられています。そして火力発電で使用する化石燃料(石炭、石油、天然ガス)は、9割近くが輸入されたものです。

この化石燃料費ですが、世界情勢や為替レートによってこまめに変動します。そのため電気料金を固定すると、燃料費が高騰した場合は電力会社が損失を被り、下落した場合は消費者が損することになってしまいます。

そこで1996年に導入されたのが「燃料費調整制度」です。この制度によって、月々の電気料金に、過去3ヶ月分の化石燃料の価格変動分を反映させる「燃料費調整額」が含まれることになりました。

燃料費調整額は下図のように、電力量料金の一部として組み込まれています。

この料金プランは一般的な料金体系の内訳

 

燃料費調整額とは?わかりやすく解説!

燃料費調整額とは、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の価格変動分を、毎月の電気代に落とし込んだものです。

過去の化石燃料費の価格に応じて、毎月1kWhあたりの単価が変動していきます。それに月間の電気使用量をかけたものが、燃料費調整額として請求されています。

新電力の中には、燃料費調整額ではなく、JEPX(日本卸電力取引所)で取引される電気の市場価格をもとにした「電源調達調整費」「市場価格調整単価」を請求する企業もあります。

関連記事:【図解】新電力とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説!
関連記事:市場価格調整単価とは?電気代がまた上がる?仕組みと対策をわかりやすく解説
関連記事:電源調達調整費とは?独自燃調の仕組みと特徴をわかりやすく解説

 

燃料費調整額の算出方法とは?

ここまで燃料費調整制度と、燃料費調整額について解説してきました。それでは、毎月の燃料費調整額はどのように決められるのでしょうか?

先述したように、燃料費調整額の算出方法は「燃料費調整単価×電気使用量」です。電気使用量が多くなるのに比例して、燃料費調整額も上がっていきます。そして燃料費調整単価は、以下の計算式で算出されています。

燃料費調整単価 =(「平均燃料価格」ー「基準燃料価格」)÷1000(×基準単価)

平均燃料価格とは、過去3ヶ月分の燃料費の平均価格のことです。そして基準燃料価格とは、各電力会社が定めた「燃料費の見込み価格」を意味します。

つまり、電力会社が定めた基準の燃料費をもとに、燃料費調整額の単価は決まっているのです。もし平均燃料価格が1キロあたり1000円変動した場合は、電力会社が定めた基準単価も含めて単価を計算しています。

基準燃料価格は電力会社ごとに異なるため、燃料費調整額は契約する電力会社によって変動するのが特徴です。そのため、電力会社によって燃料費調整額には差が生じます。

 

燃料費調整額のプラス・マイナス調整とは?

ここまで燃料費調整額の算出方法と、電力会社によって単価が異なることを説明しました。この記事を読んでいる方の中には「燃料費=高い」「燃料費調整額=高い」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

確かに、最近電気代が高い原因の一つが「燃料費調整額の値上がり」です。しかし、燃料費調整額は月々の電気料金にプラスされるだけではありません。

もし燃料費が安くなった場合、それに応じて燃料費調整額もマイナスになることがあるのです。電力業界では、これらをプラス調整、マイナス調整と呼んでいます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

まず、プラス調整となるのは、実際の燃料価格が各電力会社の基準燃料価格を上回った場合です。この場合、燃料費調整単価はプラスとなるため、そのプラス分が電気代に上乗せされます。

一方、実際の燃料価格が、各電力会社の基準燃料価格を下回った場合、燃料費調整単価はマイナスとなります。その場合はマイナス調整として、電気代からマイナス分が引かれて電気代が安くなるのです。

実際に東京電力の高圧の燃料費調整額を見てみると、2021年5月分の燃料費調整単価は-3.52円/kWhとかなり安かったことがわかります。しかし、2023年2月分は12.59円/kWhと大幅なプラス調整になっています。

 

 

燃料費調整額が反映されるタイミングは?

燃料費調整額は、ただ電気代にプラスされるだけでなく、場合によってはマイナス調整されることがわかりました。

それでは、燃料費調整額はどの期間の燃料費をもとに決まり、いつ反映されるのか、ご存知でしょうか?

参考にする期間、反映する時期は電力会社ごとに異なります。しかし一般的には、燃料費調整単価は過去3ヶ月分の平均燃料価格をもとに決まり、その2ヶ月後に反映される場合がほとんどです(下図参照)。

燃料費調整額が反映されるタイミングについても注意しておきたい。燃料費調整単価は過去3ヶ月分の平均燃料価格をもとに決まるが、電気料金に反映されるのは2ヶ月後である

例えば、10月分の燃料費調整単価は、5〜7月分の燃料費をもとに反映されています。ここからわかるのは、燃料費調整額は最新の燃料価格が反映されるまでに、タイムラグがあるということです。

 

2023年以降、燃料費調整額は下がりつつある

ここまで、燃料費調整額とは何なのかということを説明してきました。では、実際の燃料費調整単価の推移を見てみましょう。

スクリーンショット 2023-07-07 16.46.28(新電力ネット「燃料費調整単価の推移」をもとに弊社作成)


上図は、低圧(一般家庭・小規模法人)の燃料費調整単価をチャートにまとめたものです。

東京電力を見ると、2020年12月は-2.58円/kWhでしたが、その後は値上がりが続き、2023年2月分は13.04円/kWhとなりました。この2年のうちに、かなり大幅に高騰したことがわかります。

では、なぜ燃料費調整額がここまで値上がりしたのでしょうか。考えられる理由は、主に下記3つです。

・脱炭素の促進による化石燃料への投資撤退
・急激な円安ドル高の進行
・2022年ロシア・ウクライナ問題

特に「ロシア・ウクライナ問題」は燃料費高騰に与える影響が大きく、これらに影響を受け、この2年間で石油と天然ガスは約5倍、石炭は約8倍の価格になるなど、2022年に過去最高値を記録しています。

輸入燃料の価格推移(各種統計データをもとに弊社作成)

しかし上図のように、2023年に入ってからは燃料費の高騰が落ち着き、下落局面に入っています。そのため、2023年3月からは平均燃料価格も下がり、燃料費調整額も多少安くなりつつあります。

関連記事:【2024年最新】電気代はどれくらい値上げした?推移と今後の予測、電気料金の高騰対策を解説!
関連記事:【法人向け】電気代を安くする方法とは?原因と対策を解説」を確認いただきたい。

 

燃料費調整額の今後の見通しは?しばらくは高騰が続く?

燃料費が下がった影響で燃料費調整額も下がりつつあることを説明しました。

このまま大幅に下がり、2020年ごろの単価にまで戻ってほしいところですが、現在、燃料費高騰の主原因である「ロシア・ウクライナ問題」は収束の目処が立っていません。そのため、大幅に下がる可能性は低い、というのが現状です。

それでは今後、燃料費調整単価はどのように推移するのでしょうか? 下記は高圧の燃料費調整単価ですが、今後は以下のように推移する可能性があると予想されます。


燃料費調整額の推移と今後の予想(出典:新電力ネットや各社の研究データをもとに弊社作成)

上図からもわかるように、燃料費の高騰は今後もある程度は落ち着くと考えられます。しかし、やはり2020年以前のような水準になる可能性は低いでしょう。

 

多くの電力会社が、燃料費調整額の上限撤廃に踏み切っている

大手電力会社の料金プランは、2016年の電力自由化前後によって種類が異なる場合が多いです。電力自由化前に作られた電気料金プランを「規制料金」と言い、自由化後に作られた料金プランを「自由料金」と言います。

※電力自由化(電力市場の自由化)とは、大手電力会社が独占していた電気事業の規制を緩和し、民間企業の参入を促す取り組みです。これによって「新電力」と呼ばれる、民間の電力会社が電力小売事業に多く参入しました。

 

このうち、規制料金には燃料費調整額の上限がありました。それ以外にも、新電力の中にも上限を設定しているケースが多くありました。これまで、多くの電力会社は「基準燃料価格の1.5倍までしか燃料費調整単価を請求しない」としていたのです。

しかし、燃料費高騰を受けて、2022年ごろから燃料費調整額の上限を撤廃する電力会社が続出しています。大手電力会社10社が上限を撤廃し、そして新電力も多くの会社が燃料費調整額の上限をなくしています。

一応電力会社から通知がなされていると思いますが、見落としていて、多くの電気代を支払っているケースがあるため、一度確認することをおすすめします。

 

大手電力会社は2023年6月より電気代を大幅に値上げしている

ここまで、大手電力会社や新電力の中には燃料費調整額の上限を撤廃していることを説明しました。それに加えて、2023年6月より大手電力会社は電気代の大幅な値上げに踏み切っているので注意が必要です。

各電力会社の値上げ幅

上図は各大手電力会社の値上げ幅です。特に北陸電力は値上げ幅が大きく、プラン内容によっては44〜46%近く値上がりする可能性があります。

「大手電力会社=安心」というイメージがあるかもしれませんが、その神話は崩れつつあります。先述したように北陸地方は地域別で見ると電気代が最も高いため、特に注意が必要です。

一方、新電力(2016年以降に新規参入した電力会社)によっては、格安の電気プランを提供しているケースがあります。電気代が上がる現在でも、安くできる可能性はあるため、特に大手電力会社と契約中の方は、電力会社の切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

電力会社を選ぶ際に重視すべきポイントや、切り替える上での注意点については下記記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2024年】電力会社の選び方とは?会社選びの注意点と電気代を安くする方法をわかりやすく解説!
関連記事:【2024年最新】電気代を値上げする電力会社一覧!電気料金はどれくらい高くなる?

 

<大手電力会社より最大25%も安い>
しろくまプランなら大幅に家庭の電気代が下がる可能性がある

ここまで電源調達調整費は今後安くなっていく可能性が高いことを解説しました。

そこで電気代を安くしたい方におすすめなのが、しろくま電力が家庭・小規模法人向けに提供する「しろくまプラン」です。しろくまプランの主なメリットとして以下の2点があります。

①電気料金が大手電力会社の値上げ後より最大3割も安い
②還付金制度があるので、電気料金の急激な上昇を防げる

それぞれのメリットについて説明していきます。

しろくまプランのメリット①:電気料金が大手電力会社の値上げ後より最大3割も安い

1点目が、大手電力会社の値上げ後より、電気料金が最大で3割も安くなる点です。しろくまプランは、電気料金の業界最安値を実現すべく、単価を安く設定しています。

4人世帯の場合の、大手電力としろくまプランの電気料金を比較した図

上図は4人世帯の場合の、大手電力との電気料金を比較した図です(契約アンペア数が40A、月間電力使用量が450kWhの場合)。

先述したように、大手電力会社は2023年6月より電気料金を大幅に値上げしました。

一方、「しろくまプラン」の電気料金は大手電力の値上げ前よりも安く、便乗値上げも実施しないため、場合によっては約3割も電気代を安くできるのです。

しかし「電気代が大幅に安くなる」と言われても、信じられない方も多いのではないでしょうか。なぜ「しろくまプラン」は大手電力よりも安いのか?その理由は電気料金の内訳にあります。

4人世帯の場合の、大手電力としろくまプランの電気料金の内訳を比較した図

上図は双方のプランを比較した図です。まずしろくまプランは大手よりも基本料金と電力量料金を安く設定しています(再エネ賦課金の単価は国が定めるため、全ての電力会社で同じです)。

また東京電力の燃料費調整額としろくま電力の電源調達調整費を比較してみましょう。

2023年5月度における東京電力の燃料費調整額が5.13円(政府の7円/kWhの補助金を除いた場合)なのに対し、しろくま電力の電源調達調整費は、政府の補助金を含んでいない状態で1.95円です。

このように大手電力会社よりもお手頃な料金設定にしているため、しろくまプランにすれば電気代を安くできるのです。

しろくまプランのメリット②:還付金制度があるので、電気料金の急激な上昇を防げる

2つ目のメリットが、電気料金高騰時に還付金を適用するため、電気料金の急激な上昇を防げる点です。

電源調整調達費は、燃料費ではなく、JEPXの市場価格をもとに決まります。市場価格が平均よりも高いと電源調整調達費はプラスになりますが、平均より安いとマイナスになることもあります。

通常、プラスの場合は電力会社は電気料金にプラス分を上乗せし、マイナスの場合はマイナス分を値下げして請求するのが一般的です。しかしそうすると、電気料金の上下の幅が大きくなってしまいます。

電源調達調整費のイメージ図

そこでしろくまプランでは、電源調整調達費がマイナスの場合、上図の①のようにマイナス分を「料金高騰準備金」として蓄えます。

そして③のように市場価格が高騰した際、①で貯めたお金を還付金として充てることで、電気料金の急激な上昇を防ぎます。これによって、電気料金の激しい浮き沈みを抑えることができ、しろくまプランなら、年間を通して電気料金を安く抑えられるのです。

またしろくまプランの電気は、発電の際にCO2を出さない「実質再生可能エネルギー(※)」です。ただ安いだけでなく、電気を切り替えるだけで環境改善にも貢献できます。

「電気料金を安くしたい」「電気料金値上げの通知がきた」など、ご家庭・小規模法人で電気料金にお悩みの方は、「しろくまプランお申し込みページ」または以下のバナーよりお申し込みください。

またしろくま電力では、電気料金の高騰に悩む法人(高圧・特別高圧)に向けて、昼間の電気使用量が多いほどお得になる電力プランを提供しています。気になる方は、ぜひ「市場連動型しろくまプラン」をご覧ください。

※実質再生可能エネルギーとは、電気に環境価値証書(CO2を出さないという証明書)を組み合わせたもののこと。